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2007年11月29日

●安藤美姫4回転跳んだ!2冠へNHK杯も勝つ

 獲るわよ、2冠! フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦「NHK杯」(仙台市体育館)は29日、開幕。28日には公式練習が行われ、昨季世界選手権金メダルの安藤美姫(19)=トヨタ自動車=が大技ジャンプの4回転サルコーを2度成功させた。2位以内なら自力で出場できるGPファイナル(12月14、15日、トリノ)での優勝に照準を合わせ、女子では史上4人目となる世界選手権との2冠女王を狙う。

 空気が揺れる。オーラにふるえる。世界女王・安藤が、大会開幕前からリンクを制圧した。

 黒いタンクトップ姿で公式練習に登場したミキティは、スピードに乗った助走から勢いよく氷を蹴ると、竜巻のように跳ね上がった。両手を広げた着氷もぶれない。世界の女子でただ1人公式戦で大技の4回転サルコーを成功させている貫禄を早々とみせつけた。

 「すごくビックリ。あまり練習していなかったから。3回転の連続ジャンプも驚くほど安定していた。この調子で試合に臨めたらいいですね」

 声が弾み、表情も明るい。4回転には3度挑み、2度成功させた。4回転に成功するのは、昨季優勝した世界選手権(3月)直前の練習以来、今季は初めてだ。10月の日米対抗で痛めた右肩にはテーピングを施していたが、「すごくよくなっている。痛みも出ていません」と不安はない。一緒に滑走した欧州女王カロリナ・コストナー(イタリア)に強烈なプレッシャーをかけた。

 GPシリーズ第1戦、スケートアメリカでは2連続の3回転を回避しながら、成長を遂げた表現力で2位に入った。今大会で2位以内なら自力でファイナル出場権を獲得できる。今大会のフリー(12月1日)では、4回転を“封印”することを決めているが、ミキティはファイナルでの勝負を見据えているのだ。

 4回転は、女子ではミキティだけが跳べる伝家の宝刀で、公式戦では03年12月の全日本選手権で1度成功。15位と惨敗したトリノ五輪では転倒して失敗したが、「4回転は自分に必要になってくる。練習はこれから定期的にやります」と自信を取り戻しつつある。

 ライバルの世界ランキング1位・浅田真央(愛知・中京大中京高)、昨季ファイナル覇者の金妍児(韓国)はすでにファイナル出場を決めている。世界選手権上位3人は同じGP大会には出場しないため、GP上位6人で争うファイナルが直接対決の場となる。今季、その舞台は屈辱を味わったトリノ五輪の会場。ミキティの気合も高まる。

 ファイナルを制し、世界選手権に続く2冠獲りとなれば女子では史上4人目、日本人選手初の快挙。真央、金妍児は優勝経験があるだけに、ミキティが初優勝するためには、今大会のフリーで見せる2回転半-3回転の連続ジャンプよりも基礎点で3点以上も高い4回転を跳ぶしかない。

 「ジャンプがきれいに跳べてうれしかった。大人っぽくセクシーで、男の人を誘うようなラブストーリーを表現したい」。杜の都の大会を、4回転復活の前夜祭とする。

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