●夢をカタチに「NISSAN GT-R」開発責任者の水野和敏さん
「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフが楽しめる」
日産自動車は、そんなコンセプトを具現化した高性能車「NISSAN GT-R」を6日に発売した。2002年の生産中止以来“復活”を熱望していたファンの期待を背負い開発した自信作で、9月26日に予約を開始したGT-Rの受注は5日時点で2700台に到達。月販目標200台の約13倍というこの数字が、人気の高さを証明している。
「目指したのは、比べることができない絶対的な価値である『感動の商品』だ。スイスの時計職人がつくる時計も、フランスの『3つ星』レストランが出す料理も比較して作るわけではない」。製品開発本部第2プロジェクト統括グループチーフ・ビークル・エンジニア兼チーフ・プロダクト・スペシャリストの水野和敏さん(55)はこう話す。
04年10月。そんな思いを胸にGT-Rの開発に着手した。その過程で設定した試練の1つが、世界一過酷な競走用山岳コースとして知られるドイツのニュルブルクリンクサーキットを7分30秒台で連続し走り切ること。アップダウンがきつい全長20キロメートル超の舞台への挑戦は、「走り、曲がり、止まる」という基本性能から磨き上げたいという意欲の表れだった。
そして、834万7500円(最高グレード)の“量産スーパーカー”を世に送り出した。「時速300キロメートルで走行中でも助手席と会話できる高速安定性と静粛性を実現した。大型ダンプ(5トン)並みの荷重を受けながら高級乗用車の乗り心地を体感できることも、100キロで雪道を楽しめるのも、GT-Rならではの感動だ」
その新型車は、設計・実験・生産・デザインなどそれぞれを担当する全メンバーの汗と涙の結晶だ。「本当にいいフランス料理を作ろうと思ったら、味わってほしい味を決めた後に材料を厳選し、料理に仕上げる。その際、肉と魚と野菜ごとに組織を作り調達していては、最高の料理はできない。(素材ごとの壁を取り払い)チーム一丸となって取り組んだ」。結束力を高めるため、各種車両データをチーム内の共通言語として使えるよう加工した。
「人にしか作れない精度、機械では測れない精度がある。その技とテクノロジーを組み合わせ最高の作品を作ろうと考えた」。巧みの手によってエンジンを丁寧に組み立てるなど、“技術の人間の技の融合”にもこだわった。「社員全員が最高のものを求めていることを、GT-Rという車を通じ表現したかった」との思いからだ。
「カルロス・ゴーン社長が責任を請け負ってトップに立ってくれた。常に新しいことをやると精神的にへこたれ迷いも生じるものだが、忙しい日程を割いて見に来てくれたことや即断即決が大きな励みとなった」。クルマに夢やあこがれを抱く世界の人々の心を響かせる挑戦はこれからも続く。
◆はじめよう!オンライントレード!
◆今度こそ本気で痩せる!【Choice de Diet】
◆国内旅行特集 ver.02

