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2009年01月22日

●時代の「寵児」面影なく…「音楽家です」初公判の小室被告

 かつて音楽界を席巻した〈時代の寵児(ちょうじ)〉が刑事裁判の法廷に立った。21日、大阪地裁で開かれた初公判で、詐欺罪に問われた音楽プロデューサー・小室哲哉被告(50)は憔悴(しょうすい)しきった表情で起訴事実を認めた。その姿には、高額納税者番付に名を連ね、絶頂を極めた頃の面影はなかった。

 「音楽家です」。午前10時、地裁・201号法廷。小室被告は黒いジャケットに、グレーのズボン姿。2か月前の保釈時の長髪も短く切っていた。裁判官や傍聴席に向けて頭を下げながら入廷し、人定質問では職業をこう答えた。

 「これからあなたのことを被告人と言います」。杉田宗久裁判長が小室被告に告げた。「音楽家」から「被告人」へ。現実を受け止めるかのように、小室被告はうなずいた。

 冒頭陳述では、小室被告が負債を抱えた経緯や、共犯者との共謀状況などが生々しく語られた。

 小室被告は、2人の弁護人に挟まれる形で腰を掛け、陳述する男性検察官と向かい合う形で聞き入った。が、視線は検察官から外し、こわばった顔つきで、じっと一点を見つめている。検察官に「債務を負う一方、ヒット曲に恵まれなくなっていた」と音楽活動に言及されても、表情を変えず、そのまま聞き終えた。

 公判に先立つ午前7時半過ぎ、小室被告は大阪地裁(大阪市北区)の正門前に車で到着。降車後、報道陣に何度も頭を下げ、「お騒がせしました」と言いながら、足早に庁舎内に入った。

 実刑か執行猶予の付いた有罪か。判決の行方は、被害弁済の成否にかかる。しかし、保釈保証金3000万円の一部を用立てたエイベックス・グループ・ホールディングス(東京)は初公判に関しては「コメントすることはない」とし、被害弁済を援助するかどうかについては「そういう方針はない」としている。

 ◆都内の知人宅でひっそり暮らす◆

 小室被告は昨年11月の保釈後、メンバーの「globe」が所属する「エイベックス・エンタテインメント」(東京都)の都内にある幹部宅に身を寄せている。

 地上3階、地下1階の邸宅。被害弁済の話し合いや弁護人との打ち合わせ以外は、地下1階の部屋にこもりきりで、音楽を聴いて過ごすことが多く、妻のKEIKOさん(36)とともにひっそりと暮らしているという。

 弁護人の佐藤貴夫弁護士には、「造りは豪華ですが、生活は拘置所と変わらないですよ」と話しているという。ただ、気分転換のためか、正月には大阪地裁の許可を得て、大分県内のKEIKOさんの実家に里帰りしたり長野県軽井沢町に出かけたりした。

 佐藤弁護士から「逮捕後、カラオケで楽曲の利用が増えた」と聞くと、「一つぐらい、いい話がないと、なかなかつらいですよね」と複雑な心境を吐露。公判の打ち合わせの際には、こう漏らしたという。

 「音楽をやれる環境に戻りたい。それだけです。僕はそういう人間です」

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